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7-3. スピードラーニングってどうですか?



さて、この質問も結構聞かれることが多いですね。
誰でも知っているくらい有名な英語教材なので。

この教材の効果ってどうなのでしょうか?

結論からお話ししますと、私自身は正直英語を学習する上で教材は何を使ってもいいのではないかと思っているのですが、スピードラーニングはお勧めできません。

よっぽど質の悪い教材でなければ、私の提唱している2つのこと(英語を音として認識することと、英語の語順を理解すること)をきちんと意識さえしていればどんな教材を使っても英語力が効率的に向上すると考えているのですが、如何せん値段が高すぎて対費用効果という意味でかなり勿体ないと思います。

ただ、値段が高いからお勧めしませんと言うだけではちょっと物足りないというか、理論的でない部分もありますので、せっかくなので一応私なりに考えてみたこの教材の良い点、悪い点に関して少し考察させて頂こうかと思います。

英語学習において私が提唱する重要な2つの点から見て、スピードラーニングってどうなのかということを考えて行きます。

ということでまず私の提唱する項目の1点目、
「英語を音として認識する」
という視点で見た場合どうかですかね。

まず、スピードラーニングは「英会話をたくさん聞き流すことで英語耳を手に入れよう」ということを提唱していますね。これは実は、英語を音として認識する手段の一つといえると思うんですよ。したがってこの手法でうまく行く人も、中にはいるんじゃないかと考えています。

ただし、実はここにちょっと落とし穴があると思います。

この手法は、本当にCMで言っているように聞き流すだけってことなると、完全に音だけに依存した英語学習になってしまうんですよ。

赤ちゃんが母国語を習得する過程の様に、莫大な時間英語のシャワーを浴び続けられるならそれでもいいかもしれませんが、その方法はかなり非効率的な学習方法になるのではないかと思っています。

第2章で詳しく書かせて頂きましたが、私自身は文章(単語)と音の関連に注目することが非常に大切で、そういう視点で英語を音として捉えて練習するのが効率的に学習する上で大切であると説明しましたよね。

なんやかんやで私たちって義務教育で英語を習っているので、日本人の多くは英語の読み書きはそれなりにできるんですよね。最低限アルファベットくらいはわかる。だから、音だけに頼った聞き流すだけの学習というのは、私から言わせるとちょっと非効率で、方法論としては不完全なのではないかと思っています。

もちろん、スピードラーニングでは全文が利用可能なので、私の提唱する方法で練習するのであれば、全く問題ないわけですけどね。

で、次に2点目ですね。
「英語の語順を理解する」
という視点で見た場合はどうでしょうか?

スピードラーニングでは、最初に英語の文章が流れて、その後に日本語の意味が続くというスタイルをとるようです。

これも一見英語をそのままの語順で理解するために必要な作業を実行しているように思えます。

ですが、実はここにも落とし穴があると思っています。

つまり、文節ごとに前から後ろに向かって英語を聞き続ける、又は読み続けるにはある程度の慣れが必要で、はじめは非常に短い文節から初めて、徐々に区切る文節を長くしていくという作業が必要になるのではないかと思っているんですよね。

そういう意味では、音声をただ聞いているだけでは自分のペースで文節を区切って理解していくという作業がなかなかできないので、語順をきちんと意識するのは難しいのではないかなと思います。

ということで、このような理由から私はスピードラーニングは良い教材とは言い難いと思っています。

最後に経済学的な観点からも評価してみましょう。一応最後まで受講し続けたという過程で合計金額を算出しますが、なんと20万円以上もするようです…(汗)。

私のお勧めの教材だったら月当たり500円以下なので、コストパフォーマンスはかなり悪い、と言わざるを得ませんね。

ただ、もちろん英語学習の仕方は人それぞれですし、教材との相性もあると思うんですよ。実際にこれを使って英語力が伸びたという人もCMを見ている限りではいるみたい(?)なんで、絶対買うなとか、そんなことを言うつもりはありません。

英語学習には継続性も大事なのですが、ここまで高額の教材を買って自分を追い込めば、さすがにもったいないのでちゃんと勉強しますって人もいるかもしれませんしね。

あと、もう一点、スピードラーニングについて補足しておきましょう。

実はスピードラーニングって、紹介料が物凄く高いんですよ。
具体的に言うと、例えば私のウェブサイトにスピードラーニングへの購入画面のリンクを張っておいて、そこから誰かが購読を申し込みますよね。

そうすると私に紹介料として1件の成約に付き7千円も支払われるんですよね(2014年6月現在での値段)。このように、インターネットで商品を紹介して仲介料を貰うことをアフィリエイトと呼ぶんですが、スピードラーニングはとにかくこのアフィリエイト料が物凄く高いんです。

だから皆こぞってこの教材はいいよ!ってインターネットで宣伝するんです。
恐ろしい話です…(汗)。

インターネットで情報を集める際には、こういう仕組みによって偏った意見が述べられている可能性も考慮しなければいけないと思います。

ということで最後に本項のまとめをさせて頂きますが、要するに
スピードラーニングはお勧めできません…(汗)
という話でした。


〜著者〜
原 正彦(はら まさひこ)
1981年1月21日生まれ
循環器内科専門医
TOEIC 855点
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